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成人式の振袖動向 30年前から現代・未来 ~振袖小物について~

2019.10.05

成人式の振袖のレポートもいよいよ第3回目になりました。30年前からの振袖の移り変わりを研究した第1回目。
色や柄行だけでなく帯、ヘアーメイク、髪飾り、草履、バックまでふれ、その時代の背景と関連付けました。
※以前のレポートで表にまとめてありますので参考にしてください。
第2回目ではヘアー、髪飾りについて既に掘り下げてみました。

今回は、コーディネートのポイントになる部分を主に、帯揚げ、帯締め、袋帯、半衿、重ね襟などについてレポートしていきたいと思います。

約30年前(バブル期前半)

衿・・・白が多く、その中でも少数派の刺繡襟は小花刺繡で淡い色が多かった。
伊達襟・・・単色か紗矢型他
帯揚げ・・・総絞りの単色
帯締め・・・丸組み紐
帯・・・・着物の柄とかぶらないようにするのが主流。扇面。吉亀など黒地、金地のものが多い。
草履・・・佐賀錦
バック・・・佐賀錦の草履とおそろいか、和洋使えそうな総ビーズのバック

帯揚げ、帯締めは「入く」または「藤結び」をし、三点同色にするコーディネートが主流。
バブル期後半には、ポレタポルテの振袖が出てきました。また、デザイナーズ、キャラクターブランドが着物に進出し濃い色の刺繡衿。丸ぐけの帯締めで大正時代風のレトロ調なコーディネートも一部流行していました。

約20年前  

衿・・・小花柄の刺繡の衿
伊達襟・・・ゴールドやシルバーと二色使い
帯揚げ・・・刺繡やグラデーション
帯締め・・・飾り結びで結ぶ
帯・・・モチーフだけでなくグラデーションタイプなど色や光沢」でみせるものも出てきた。
草履・・・厚底タイプのエナメル
バック・・・刺繡がポイント柄など佐賀錦以外のものも多くなってきた。

約10年前

衿・・・・ゴージャスな刺繡
伊達襟・・・着物の柄も洋柄が多くなってきたことに合わせ、パールやスワロスキーなどのアクサセリー感覚のものやレースやファーの飾りなどをコーディネートに取り入れることが増えてきた
帯揚げ・・・・レースやファー、スパンコール等のキラキラするようなかざりが増えてきた。
帯締め・・・・組み紐が多く、組み紐による飾りもついていた
帯・・・30年前とは違い、帯と着物の柄を同じにして統一感を持たせたコーディネートにするようになった。
草履・・・エナメル
バック・・・エナメルやビーズの飾り

現在

衿・・・・刺繡はもちろん、柄物のはっきりした色の組み合わせが新鮮です。
伊達襟・・・帯揚げや締めと同じ色を使うことが多いです。
帯揚げ・・・総絞りのやレース
帯締め・・・結び方でポイントを作るだけでなく、アクセサリーびような組み紐やちりめん細工など、大きい飾りが増えてきた。
帯・・・大きい柄模様や着物に合わせて帯の柄も大柄にしたり、ベロアなどの今までにない素材も増えてきました。
草履・・・ハナオも太くなり刺繡が入り、厚底で草履の幅も広くなった
バック・・・がま口のバックが流行ってきた。

ブラント物だけでなく、モデルやタレントプロデュースが増え、それぞれブランドイメージに合わせたコーディネートが多様化してきた。

まとめ

30年前のバブル期以前は、振袖を買う時代でした。その世代がお母様になり、現在では購入、レンタルの他にお母様の振袖を着たい、また着せたいというご家庭も少なくないと思います。
昔から「着物一枚、帯三本」といいます。これは一枚の着物でも違った雰囲気の帯が三本あれば、三枚の着物を持っていると同じくらい着こなしの幅があるという意味です。
今回、調べてみて着物や帯の柄だけでなく、この素材や型、結び方ので時代によって変わってきた事がわかりました。
差し色やコーディネートの色の一部としてつかわれていた小物がアクセサリーのように雰囲気を表現するポイントに変わってきた感じがします。 

書記 柴田・藤野